〔064〕奥穂高岳 (3,190m)

標高差:1,690m

2008年08月12日(当時59歳)


日本百名山に戻る

長野県松本市安曇
上高地 岳沢登山口 岳沢ヒュッテ跡 紀美子平 前穂高岳 奥穂高岳 穂高岳山荘
6:28 6:48 8:33 11:11 11:49 13:59 14:29
登り(一日目):8時間01分(上高地〜前穂〜奥穂〜穂高岳山荘)
下り(二日目):9時間37分 (穂高岳山荘〜奥穂〜涸沢岳〜上高地)
穂高岳山荘 奥穂高岳 穂高岳山荘 涸沢岳 穂高岳山荘 涸沢ヒュッテ 本谷橋 横尾 上高地
5:23 6:00 6:50 7:14 7:47 9:25 10:48 11:51 15:00

  奥穂高岳へは昨年 '07年09月 に新穂高から白出沢登山道で登っているが、山頂はガスで展望は
得られなかった。 それのリベンジとして今回は上高地から重太郎新道の日帰りピストンを計画する。

ウィキペデアより
  奥穂高岳、涸沢岳、北穂高岳、前穂高岳、西穂高岳などの峰々からなる穂高連峰の総称。 前穂高岳以外は主に長野県松本市と岐阜県高山市の境界に位置している。 主峰は奥穂高岳であり、長野県と岐阜県の最高峰である。 「北アルプスの盟主」と呼ばれる。 北は、大キレットの峻険な登降を経て、南岳、大喰岳の先の槍ヶ岳に連なっている。 途中、涸沢岳から南岳の稜線の飛騨側には、谷川一の倉沢と並ぶ有数の岩場滝谷を擁する。 南は、奥穂高岳より西穂高岳に至る痩せ尾根を経て、焼岳へと連なる。
奥穂高岳より吊り尾根を経て、前穂高岳に至り、カールを降れば、上高地河童橋に至る。 また、岐阜県側に穂高岳山荘から白出沢を降るか、或いは、西穂高岳からロープウェーかその下の道を下れば、新穂高温泉である。

日本百名山』 目指せ重太郎新道、目指せ奥穂高岳日帰り登山。
Road Map :始発時間の早い沢渡大橋からシャトルバスに乗り、上高地に入る。
Route Map:予定は重太郎新道から奥穂高岳へのピストンであったが当日はガスが掛かり穂高岳山荘泊に変更。
1日目:前穂高岳〜奥穂高岳
昨夜は標高の高い安房峠で車中泊したので寒いくらいの涼しさの中、
朝寝坊してしまい、沢渡大橋始発シャトルバスには間に合わず、二番目のバスに乗り、上高地入りする。 上高地の売店は早朝から営業しており、ここで昼飯のおにぎりを買うことが出来た。
気温18℃。 6時28分、バスターミナルを出発する。
”河童橋”付近には既に多くの観光客が散策していた。
河童橋を渡り、右岸の散策道に入る。
吊尾根側を見ると ”明神岳”が聳えており、”奥穂高岳”に続く吊尾根がはっきり見えた。 数時間後には吊尾根から ”上高地”を見ていることになると思う。
涼しい中、右岸散策道を進む。 こちら側に来るハイカーは少なかった。
登山口からは針葉樹林帯の中を緩く登っていく。
バスターミナルから20分で”岳沢登山口”に着く。
岳沢ヒュッテまでが2時間、前穂までが6時間と言う
ことは、奥穂まで何時間掛かるんだろう。
('10年、岳沢ヒュッテは再建されている)
展望の利かない樹林帯であるが、木間からは時折、上高地が見えた。
今日も大気の湿度が高そうだ。
岳沢登山道には岳沢ヒュッテの道程を110分から始まって、90分、70分と表示してあった。 ここで奥穂を日帰りすると言うあんちゃんに軽く抜かされる。 俺の1.5倍は早いスピードで駆け抜けて行った。
涸れ沢になっている ”岳沢”沿いの登山道に出ると展望が一気に開ける。
見通しは悪いものの、上高地からの距離が感じ取れる展望だった。
54分にて ”風穴”に着く。 天然クーラーと書かれており、確かに
冷たい風が出て来ている。 休憩するには絶好のポイントであるが、
今日も足が遅いので休憩せずに先を急ぐ。
見上げると吊尾根からの奥穂高岳、ジャンダルムからの西穂への稜線が綺麗に見えた。
残念ながら西穂高岳側はここ見えていない様に思う。
振り返ると景観が少し変わり、”焼岳”が顔を出し始めた。
岳沢ヒュッテへの登山道は自然石で綺麗に整備されており、
当時の労力が伺える。
岳沢ヒュッテ跡を過ぎると悪名(?)高き北アルプス
三大急登の ”重太郎新道”に入る。 早速、垂直に
近い崖に掛かる長い鉄梯子が迎えてくれた。
1時間57分にて ”小屋見峠”と書かれた地点に着く。 峠感は無く、ここから
岳沢ヒュッテが見えるだけの様だ。 2時間05分で”岳沢ヒュッテ”に着くが、
積雪で倒壊したらしく、今は敷地跡が残っているだけ。簡易トイレが設置してあった。
今日も調子は悪くないのだが、登山口に表示してあった2時間より時間が掛かっている。この調子では奥穂高岳日帰りは難しいか?
('10年に岳沢ヒュッテは再建されている。)
右から奥穂、ジャンダルム、西穂の稜線を見上げる。天気は最高であるが、これが続かないのが山の天気。
毎日、午前中は晴天となり昼前からガスが上がってくる。 今日はどうなるのか?
展望は終始良いが、同じ景色が見えているだけ。
ハイカーが立っている向こう側が急激な落ち込みになっている。
下山者は多いが登って来る人は居なかった。
岩登りに近い崖を登り振り返り見る。
体力さえあれば面白い道であるが、中年を超えた
おっちゃんには息が切れるだけ。
次は長いロープ場が出て来る。下山者の通過を待つ間、休憩するが、
全員通過までは待ち切れず、横から這い上がる。
見上げる斜面に鉄梯子が二つ掛かっていた。 ここに風穴手前で会った、駆け登っていったあんちゃんがたたずんでいた。 話ししてみると、
家から帰って来いとの電話があったらしい。 何があったのかは聞か
なかったが、本人は登ろうか、下ろうか悩んで動こうとしなかった。
聞きしに勝る ”重太郎新道”を2時間近く這い上がり、”前穂高岳”が
見える様になってきた。 きつい登りはまだまだ続きそうだ。
ロープ場の上から下山者を見る。
お前ら何をもたもたしとんじゃえ!
”前穂高岳”を見上げる。
”いい山だ!”と思う前に ”きつそうな登りだ”と思ってしまう。
”焼岳”が低く見える様になってきた。 下山者が続々と通過して行くが、
誰もがここを登りには使わない、使いたくないと言っていた。
しかし、日帰りするには ”重太郎新道”を使うしかないのだ。
疲れていなければ面白い所なんですがねー。
アスレチックな小さな岩峰が次々と出て来る。
中々、楽にはさせてくれない。
4時間43分、息も絶え絶えで”紀美子平”に着く。
多くのハイカーが休息していたが全て下山者だった。
”紀美子平”は広場になっていると思っていたが、単なる分岐点だった。
紀美子平”から ”前穂高岳”へ直登する。
地図上での距離から簡単に行けそうと
思ったことに反省しました。
5時間21分にて ”前穂高岳”(3,090m)に着く。
足が思うように動かず ”紀美子平”から38分も掛かって
しまった。 生憎、山頂には誰も居なかったので寂しく
セルフで記念写真を撮っておく。
前穂への登り中に奥穂を見るとガスが出てきていた。 定番通りの山の天気だ。
ガスの奥穂に登ってもリベンジにはならないので、作戦を変更して小屋に
泊まろうと思う様になってきた。 天気もそうだが、 ”重太郎新道”をもう一度
通りたくない気持ちも大きく影響している。 (明日、天気が崩れれば全てはパーだが)
”前穂高岳”と ”吊尾根”の縦走路を見る。
”紀美子平”からの ”前穂高岳”への斜度のきつさが良く判る。
俺は今、生涯行くことは無いだろうと思っていた ”吊尾根”の
真ん中に立っている。 ”吊尾根”から ”涸沢”が見える様になって
きた。 小屋泊まりにするなら ”重太郎新道”からは下らず、
ザイテングラードから涸沢側に下りたい。
7時間31分を要して”奥穂高岳”(3,190m)に着く。 残念ながらガスガスで
リベンジならず。 日帰りを諦めて小屋泊まりとし、明日に期待を掛ける。
現在、13時59分、日帰りしたとしても上高地18時の最終便に乗るには
不可能に近い。(それは ”前穂高岳”を追加したから・・・)
”上高地”から ”吊尾根”が見えていたように、”吊尾根”から
”上高地が見えていた。 それにしても ”重太郎新道”の勾配の
きついこと。 これを知っていれば登りに使う人は居ないわなぁー。
山荘に着いたのが14時29分、涸沢岳に登る時間は充分あるが、疲れてそんな元気は出てこない。ビールを呑んで時間潰しに周辺をうろうろする。 昨年、日帰りで登った山荘裏の”白出沢”はかなりきつかった
記憶があるが、重太郎新道よりはマシだったかなーの感じ。
8時間丁度で”穂高岳山荘”に着く。 大企業は盆休み中であり、山小屋は込むだろうから、小屋泊りは考えなかったが、小屋泊りを決めた以上、早めに小屋に行き宿泊を申し込む。 受付では取敢えず布団一枚に二人と言われたが、状況を見て変更します。 とも言ってくれた。
久し振りの小屋泊り
  やはり続々と宿泊者が入ってくる。夕食は2回に分けられて食べる。
焼きサバが付いて美味しい食事だったが、肩が触れ合うようなぎゅうぎゅう詰めの席が
嫌だった。 結局、布団は一人一枚となり、隣も空いているゆっくりスペースとなった。 風呂に入れず、着替えも無しで寝るのには辛いものがある。 が、疲れから20時過ぎには爆睡モードに入ってしまう。
ペルセウス座流星群
  あくる日に知ったことであるが、0時頃に流星群を見る為に空を眺めた人が多かった
らしい。 星空で5〜6ヶは見れたが、その後は雲で隠れてしまったらしい。 その頃、
我輩は夢の中だった。
'08年の盆休み遠征
8/10 8/11 8/12 8/13
位山 笠ヶ岳 前穂〜奥穂 奥穂〜涸沢岳
おくほだかだけ
”吊尾根”から ”奥穂高岳”への登山道がはっきり見えていたが、
見えない方が良かったかも。 ”前穂高岳”からは素直に
”紀美子平”に降りるつもりが、全然、違う所に下りてしまった。
”紀美子平”より少し進んだ進んだ縦走路に降り立つ。
ここから ”吊尾根”の登山道が始まる。
今日の山頂に向かって標高を稼いで行く。 ガスの濃い方に
向かっている。 と言う寂しい感じになってしまった。
穂高山荘からの登山道と合流し、ハイカーが急に増えて来た。
”奥穂高岳”の登頂記念撮影は順番待ちとなる。
”穂高山荘”へ降りる最後のくさり場。 昨年は濃いガスが掛かり
良く見えなかった梯子場であるが、今日はバッチリ見ることが出来た。
”穂高山荘”のテラスからみた涸沢。
昨年、このテラスに来た時にはガスで何も見えなかった。
昨年、ガスの中で ”奥穂高岳”を日帰り登山の時に往復した
”浮き石地獄”と呼ばれている ”白出沢”を見てみる。
その時に晴れていれば今回の山登りは必要なかったのに・・・
〔参考〕”岳沢小屋”は2010年7月23日に再建されている。
展望テラスからは、登山道から振り返り見た
同じ展望が広がっている様であった。
再建された展望テラスと売店と定員200名の宿泊施設。
”カモシカの立場”と書かれた展望地に着く。
大岩群が少なくなると踏み跡がしっかりして来た。
前方に ”前穂高岳”が見えるのが心強い。
誰も居なくなるとコースマーカーを探して、
道間違いしない様に登って行く。
”紀美子平”から ”吊尾根”を経由しての ”奥穂高岳”を見る。
まだガスは上がって来ない。 もう少し晴れていてくれよ!
2023年12月7日改定
前穂高岳(3,090m)